Super Mapple Digital と GPS

昭文社より Super Mapple Digital という地図ソフトが販売されている。

Ver.6 から、「GPSデータの取り込み」機能が追加された。今は Ver.8 と Ver.12 を購入済だが、もちろんこのバージョンでも使うことができる。これにより、GARMIN 社の GPS(試した中では、Foretrex 101、eTrex H、eTrex Vista HCx)、GPS-CS1K や Mio P560 で記録できる NMEA 形式、また GPX 形式で取得した GPS のログデータ(Track)が、カシミール3D を経由して Super Mapple Digital 上で表示できるようになった。

カシミール3D のみでも GPS トラックデータの地図へのプロットは可能だ。しかしながら市販の地図ソフトを持っているのならばそれで表示したいと考えるのは当然であり、これが Super Mapple Digital で実現できるようになったメリットは大きいと思う。

ここでは、Foretrex101 のトラックデータを Super Mapple Digital で表示するまでの手順を書いてみたい。

なお従来本ページでは間に perl スクリプトを入れるという面倒な作業をしていたが、以前ブログに記載したようにその手順は不要であることが分かったので、簡単となった手順を記載しておきたい。

カシミール3D での作業

カシミール3Dのインストール

まずカシミール3D本体のインストールをしておく。後で便利なので、ついでに「デジカメプラグイン」なども入れておくとよいだろう。

GPS のトラックログを取り込む

これには複数の方法がある。

Foretrex 101、eTrex H などの GPS 受信機
PC と GPS 受信機をシリアルケーブルで接続し、カシミール3D の「GPS からダウンロード」機能を用いて取り込むことができる。具体的な方法はカシミール3D と GARMIN GPS との連携をご参照いただきたい。
eTrex Vista HCx などの GPS 受信機
これらの機種は USB 接続ができ、かつ microSD にログを記録できる。上記と同様にカシミール 3D の機能でログを取り込むことができる。違いはシリアルではなく USB になるくらいだ。また、microSD に保存された GPX 形式のログデータを取り込むことができる。これについては後述したい。
GPS 受信機+PCもしくはPDA
これは PDA やスマートフォンに USB や Bluetooth 接続の GPS 受信機を組み合わせた場合、GPS-CS1K のような GPS ロガーで保存したデータを PC に取り込む場合、もしくは Mio P560 のように GPS 受信機と PDA が一体型の場合だ。GPS 受信機からのデータは NMEA 形式で保存できる。NMEA 形式のデータはカシミール3Dでも取り込むことはできるが扱いづらいので、一旦 GPX 形式に変換することをお薦めしたい。NMEA から GPX 形式への変換は「GPSBabel」というツールで可能だ。これに関しては別途記載したい。
GPX 形式のデータの場合
カシミール3Dにドラッグ&ドロップで読み込ませることができる。また、「ファイル」−「GPS各種ファイルを読む」から開くことも可能だ。

GARMIN 受信機のログをカシミール3Dに取り込むと、測位が途切れてしまったためにトラックデータが途切れてしまうことがある。あとで面倒になるので、「トラックの接続」機能でまとめられるものはまとめておくとよい。具体的な方法はカシミール3D と GARMIN GPS との連携をご参照いただきたい。

トラックデータを Waypoint+ 形式で書き出す。

「ファイル」−「GPS各種ファイルに書き出す」を選択すると、GPS データエディタが起動する。画面左側に階層構造が表示されていて、「トラック」を選択すると、ウィンドウ右側にトラックデータが現れる。書き出したいトラックデータを選択し、右クリックから「ファイルへの書き出し」を選択する。

ここで、「ファイルの種類」を「Waypoint+ファイル」、緯度経度形式を「ddd.ddddd」とする。測地系は「WGS84」がいいだろう。これで保存すると、Waypoint+ 形式(中身はcsv)でデータを書き出すことができる。以下のようなファイルができる。実際のファイルは末尾をご参照いただきたい。

Datum,WGS84,WGS84,0.000,0.00000000,0,0,0
TP,D,039.59153,140.57095,05/03/2005,23:54:40,1

Super Mapple Digital での作業

ここでは Super Mapple Digital Ver.8 での手順について記載するが、Ver.6 でも似たような手順で可能だ。

ファイルの取り込みのウィザード起動

「出力と取り込み」から、左側にある「GPSログ」ボタンでウィザードが起動する。

Ver.6 の場合、「ファイル」−「インポート」−「テキストファイル」でウィザードが起動する。

ファイル選択

GPSデータの取り込み(世界測地系)を選択し、「次へ」。ウィザードに従いファイルを選択する。

もし取り込むGPSデータが東京測地系の場合は、「東京測地系」を選択する。

緯度・経度の選択

選択したファイルの内容が画面に表として出力される。ここで、3列目が緯度、4列目が経度だ。ここではそのまま「次へ」を押す。

次の画面で、緯度と経度を選択する。3列目をクリックし反転表示させて、「緯度」ラジオボタンをクリックする。また4列目をクリックし反転表示させて、「経度」ラジオボタンをクリックする。最後に「書式」を「浮動小数点(度単位)」とし、「完了」をクリックする。

結果の確認

GPS トラックデータが「カスタム情報」の「GPS経路」として表示される。

取り込まれたGPSデータは測位できた場所のプロットのみで見づらいので、右クリック-プロパティで「GPS経路のプロパティ」を出し、「地図上の表示」タブで「線」に色をつけると見やすくなる。

実際の表示例

ここでは、秋田県角館で桜を見たときのデータを載せてみたい。