トリミングズームとレンズの描写力

大きな紙に写真を印刷することが少なくともレンズの画質は良いほうがいい、という(まぁ当たり前の)話です。

写真をL版(127×89mm)に印刷するとします。一般的によく使われる写真のサイズです。このときに、レンズの描写力が必要なのか、について考えてみます。

印刷時の解像度は300dpi程度あれば美しく見えると言われています。ですのでこのときに必要な画素数は、

が必要となることが分かります。EOS Kiss X7 の最大画素サイズは 5184×3456 ですから、半分の 2592x1728 にリサイズしてもL版での印刷には十分、ということになります。

またホームページに掲載するのであれば、例えば 720x480 画素程度でも十分でしょう。

さて、リサイズのときには、見た目を変えずにサイズを変えることもできますが、好きな部分を切り取ることもできます。トリミングと言われるものです。このトリミング、レンズの焦点距離(正確には画角)を変えることと同等です。ですのでトリミングズームとも呼ばれます。APS-C サイズの撮像素子で使用するレンズが、焦点距離 1.6 倍になるとの同じ理屈です。

5184×3456 で撮影し 2592x1728 を切り取れば 3.2 倍相当(5184/2592x1.6)になります。

ところが、ここで写真の画質が問題になってきます。2592x1728 の画像をL版に印刷することは、5184×3456 の画像を印刷することよりも、ある部分を拡大して見ることになります。これにより、写真のアラが目立つようになるのです。手ぶれ、被写体ぶれ、ピントのずれ。そして、レンズの描写力さえ見えてくるようになってしまいます。

基本的に廉価版のレンズでも、例えばL版程度に小さく印刷するのであれば、レンズの描写力としては十分と言われています。ところがこのトリミング印刷により、今まで見えてこなかったレンズの描写力が見えてきてしまうのです。

超望遠ズームレンズのような焦点距離が欲しいのに望遠ズームしか手元に無い、標準ズームレンズしか持ち歩いていなかったのに望遠が必要になった場合、などは、デジタルカメラの場合は比較的容易にトリミングズームで逃げることができます。このときに描写力の高いレンズを使って、ピントがきちんと合っていてシャープな写真が撮れていれば、多少トリミングしてもそれに耐えうることができるでしょう。ただし背景のボケ具合は本来の望遠レンズのようには得られませんので注意が必要です。

また、デジタルカメラの画像は基本的にパソコンで確認します。このとき、自然に等倍で見ることが多くなります。すると、トリミングズームよりによる印刷よりもさらに写真のアラが目立ってしまいます。印刷するよりパソコンで鑑賞することの方が多いかもしれません(わたしがそうです)。その場合きれいな写真が見たいですから、描写力の高いレンズを使ってシャープな写真を撮った方が有利です。

ということで、L版程度にしか印刷しない方でもレンズの描写力は高いに越したことはないと思います。

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