カシオペアツイン乗車記 はじめに

寝台特急カシオペアについては、寝台特急カシオペアのページをご参照ください。また2015年カシオペアスイート乗車記もご参照ください。

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2006年5月5日から6日にかけて、寝台特急カシオペアに乗車し、札幌駅から上野駅までのおよそ17時間、極上の旅を楽しんだ。

北海道に旅行したときには、下りもしくは上りで寝台特急を利用することが多い。今回もその例に漏れず、上りの寝台特急カシオペアを利用した。

寝台特急カシオペアは1編成しか無いため、運転日に注意が必要だ。今回の旅行は札幌発・上野行でカシオペアを利用することにしたので、運行されている5月5日に乗ることにした。

まずはその1ヶ月前、カシオペアツインの寝台券を取った。これが取れないことには旅行はできない。首尾よくカシオペアツイン2番の平屋建て個室のチケットを取ることができ、この日から旅の計画を立て始めた。

カシオペア乗車

カシオペアツイン

ということで5月5日。2006年春の北東北・北海道旅行を締めくくる、寝台特急カシオペア乗車のときがやってきた。札幌発は16:12。ホームへの入線は16:03なので、かなり慌ただしい。

乗車するに当たって、まずはペットボトルのソフトドリンクを数本買い込んだ。車内販売もあるが、念のためだ。それと、ビールを500ml缶を買っておいた(わたしは酒好き)。

ホームへ入ってくるカシオペアの写真を撮って、いよいよ乗り込む。

寝台列車の旅は毎度わくわくするものだが、上りで利用すると寂しいものだ。降りたときには旅が終わってしまうからだ。帰りの寝台利用は「ふたりの北東北・函館フリーきっぷ」や「ぐるり北海道フリーきっぷ」利用時には少し長く使えてとても有効なのだが・・・

寝台特急カシオペアラウンジカー

カシオペアは製造されてからまだ10年経っていないので、車両がまだまだきれいだ。寝台特急北斗星のロイヤルを使用していると車体そのものや特に水回りに古さを感じるが、カシオペアの場合そんなことは無い。

さて、まずは車内を見て回ることにした。まだ札幌を出たばかりからかもしれないが、カシオペアツインにはまだ空席が見えた。

とりあえず展望室スイートのある1号車まで行って、12号車側へ向かう。途中ダイニングカーにはお客さんが数名並んでいて、シャワーの予約をしていた。

ラウンジカーにはまだ乗客は来ておらず、展望のいい車内から景色を少し楽しんだ。

母恋めし

次に再びダイニングカーに行き、連れの分のシャワー予約をした。最初に行ったときに予約すればよかったのだが、本日分のシャワーの予約の最後の枠に何とか間に合った。この時点でも早朝分を予約することはまだできたようだ。またこの時、シャワーセットを購入した。

行ったり来たりしている間に時間が過ぎていく。

ところで、カシオペアはとにかく通路が狭い。客室を大きく取っているためだろう。また客室が全て個室であるため、移動する必要があまり無いためにこのような作りができるのだろう。

ただ狭いため、車内販売のワゴンとすれ違うときにはかなり辛い。人とすれ違うのも大変だ。またダイニングカーの通路に人が並んでいると、その間を通るのもまた大変だ。

シャワーの予約を済ませ、部屋に戻って乗車前に買っておいたビールを飲み、朝買ったした母恋めしを食べながら、至福の時を過ごした。この母恋めし、本当はもっと早くに食べるつもりだったが、時間がとれず、この時間まで持ち越してしまった。しかし母恋めしはなかなかお酒に合う。ビールを飲みながら、いい時間を過ごすことができた。

カシオペアでの夕食とパブタイム

カシオペアスペシャル弁当 カシオペアスペシャル弁当

そうこうしている内に18時過ぎになり、予約しておいたスペシャル弁当が届けられた。なかなかオシャレな箱だ。スペシャル弁当というだけあってそれなりに豪華だが、価格も3500円とかなり高い。

お弁当を食べようと思ったのだが、生憎にもビールは飲み干してしまった。そこで車内販売で白ワイン(瓶, 375ml)を頼んだ。栓抜きつき。カシオペアのイラストがラベルにある、辛口のアメリカ産白ワインだ。

カシオペアハウスワイン

こうして、おいしいワインを飲みながら、お弁当をいただいた。ダイニングカーでの食事もいいが、自室でゆっくり食事を取るのもなかなかいい。

この頃になると、洞爺・長万部・八雲・森、と、どんどんと本州に近づいてくる。これがとにかく寂しい。青函トンネルを抜けるとまだ朝まで長いのにもう旅が終わったような錯覚に陥るから、不思議だ。洞爺や森での出来事を思い出しながら、列車に揺られていた。

寝台特急カシオペア・洞爺駅

なお洞爺では、18:29着、18:39発と10分の停車だ。外へ出て展望室スイート側を撮りにいったが、列車が長くホームからはみ出ていて、後ろからしか撮れなかった。

函館着は20:54、札幌を出て5時間弱なのだが、あっという間に感じてしまう。ここでは機関車の付け替えがあるため6分停車。出発は21:00だ。

また、外へ写真を撮りに出かける。函館駅は線路が行き止まりの駅で、端まで行けば青い機関車(寝台仕様の DD51)を撮ることができる。

ここで機関車は切り離され、上り列車の場合はようやく展望室スイートの展望が開ける。スイートのお客さんは、ここぞとばかりにケータイカメラで写真を撮っていた。

寝台特急カシオペア・函館駅 寝台特急カシオペア・函館駅

函館を出発してしばらくすると、そろそろパブタイムだ。21:30 になりディナータイムが終わる頃を見計らって、念のためディナーカーにまで並びに行った。ただパブタイムの利用客はそれほどおらず、今回は並ぶまではなかったようだ。

カシオペア・パブタイム

パブタイムは予定通り21:45あたりから。なお青函トンネルの通過は21:59とのことなので、パブタイムで食事が来るのを待つ間に青函トンネルに入る。

今回パブタイムで頼んだ食事は、赤グラスワイン、フライドポテト、牛タンスモーク、ケーキ。フライドポテト、牛タンスモークはあまり見かけないメニューだ。北斗星でも出ていたようだが、季節メニューなのだろうか。

青函トンネルに入ってしばらくすると、車窓に蛍光灯の明かりと横穴が見える。これは吉岡海底駅で、ここから先は北海道に別れを告げ、津軽海峡海底を走る。ところでこの日は吉岡海底駅でかなり速度を落とし、何かあったとかとちょっとびっくりした。

ワインを飲みながらパブタイムを楽しんでいると、走行音が変わって時たま外に街路灯が見えるようになる。ついに本州に上陸してしまったのだ。

夜のディナーカーというのはまた格別の感がある。1度は、使っておきたい。

ビールに白ワイン瓶にグラスワインを既に空けていたので、これにグラスワインが加わってさすがに酔いが回ってきた。ソファーベッドを倒してベッドにし、眠ることにした。

しかし、起きたらすぐに上野に着いてしまう。翌日は晴れると聞くし、仙台に到着する4:30くらいには起きて、ラウンジカーからの景色を眺めることにした。

カシオペアでの朝、そして旅の終わり

カシオペア・ラウンジカー

ということで翌日は予定通りに起きてラウンジカーへ行ったのだが、なんと5時前というのに先頭には先客が。

しばらく隅に座って景色を眺めていたのだが、曇り気味でもあるし、ジャマするのも悪いので、早々に自室へ戻った。

仙台、福島、郡山。確実に列車は上野駅に近づいていく。郡山を過ぎるとそろそろ朝食だ。6:25頃にダイニングカーへと向かった。

と、ずらりと並んでいる。確かにカシオペアの多くの乗客が朝ご飯を食べようと集まってくるのだから、無理もない。もう少し早めに行くべきだったが、何とかギリギリ6:30からの食事にありつくことができた。

カシオペア・朝食 カシオペア・朝食

朝食後は、ラウンジカーへ移動してみた。やはり先頭には先客がいたが、今回はその他にもお客がいたので、しばらくラウンジカーからの展望を楽しんだ。

が、そう長くもいられない。上野着は9:24。そろそろ戻って、身支度をしなければならない。

非日常の楽しい旅行の気分から、帰る身支度をしていると、現実に引き戻されていく。こうして、寝台特急カシオペアは上野駅に到着した。

これで、丸4日に渡る、今回の北東北・北海道旅行は終わりを告げた。

カシオペア・上野駅

カシオペアと北斗星

カシオペア到着後しばらくして、北斗星2号が上野駅に到着した。

もし時間とお金に多少余裕があり、「北海道旅行で、上りと下り、どちらかの寝台列車を選べ」と言われたら、わたしは下り札幌行きの寝台を選ぶだろう。わくわくする寝台列車の旅が楽しい旅の終わりだなんて、何か寂しいものだ。

寝台列車で優雅な時を過ごし、起きたらそこは北海道。これから旅が始まる・・・ という下り寝台列車の旅の方が、何となくお得な気がする。それと夕方、混雑する関東地方の駅を車内の個室から眺める、というのが、なかなかいつもとは違った気分を味わえるのだ。

とは言え、楽しい旅を豪華寝台列車で締めくくるのもまたいいものだ。ということで、もしお金と時間があるのであれば、上りも下りも寝台列車を使いたい。